2013年10月13日日曜日

海外レポート第2回:アメリカ東海岸の地下鉄事情

こんにちは。Chieです。

海外レポート。第2回はボストン、ワシントンD.C.、そしてニューヨークの地下鉄のお話。
どこか知らない街の地下に潜るって、探検みたいでワクワクしますよね。


今回訪れた三都市は、いずれも地下鉄が整備されています。
ニューヨーク、ボストンともに歴史は100年を超えており、日本にとっては大先輩。それぞれ歴史が異なり、個性的です。ひとことで「アメリカの地下鉄」とはくくれない、オリジナリティにあふれる体験ができました。

100年くらい変わっていない地下鉄の風景


最も色濃く歴史を感じたのはボストンの地下鉄、MBTAです。

グリーン、レッド、オレンジ、ブル、シルバーと色分けされた各線。中でもグリーンラインはニューヨークの地下鉄よりも古く、1897年に開通したアメリカで最初の地下鉄です。

MBTA Subway Map
http://www.mbta.com/schedules_and_maps/subway/


グリーンラインの駅構内には「AMERICA'S FIRST SUBWAY」の紹介

グリーンラインは走行区間の多くが地上で、ボストン中心部で地下に入ります。そのため、地下鉄というより、日本の路面電車が地下に入った感じです。

グリーンラインの地上区間は路面電車と同じ。赤信号で止まります。

驚くのはグリーンラインの地下区間の駅。プラットホームと線路はほぼ同じ高さにあります。
「白線の内側でお待ちください」どころではなく、ちゃんと電車の動きを見ておかないと、ぶつかってしまいそうなほど近いです。

電車がホームに入ってくると、駅構内に響く音も大きい


ジワジワと近づいて停止する電車
ホームと線路の高さはほぼ同じ!

ホームが低いこともあり、車両によっては乗降口に段差(階段)があるのもの、地下鉄っぽくない特徴のひとつです。もちろん、高齢者や車いす、ストローラーでも利用できるよう、乗降口がフラットになっている車両ものもあります。

同じMBTAですが、他の路線であるレッドラインも利用しましたが、こちらは日本でも見慣れたホームが高くなったタイプの電車でしたよ。

レッドラインのKENDALL駅はMITの最寄駅

マンハッタンで出会ったアートな空間


マンハッタンの地上は縦に伸びるAvenueと、それを横切るStreetで碁盤の目のようになっています。そんな整然とした街並みの地下には、また別の人の流れがあります。

ニューヨークの地下鉄(New York City Subway)はマンハッタンとその周辺を合わせてアメリカ最大の地下鉄網です。駅の数は468個あります。

MTA Subway Map
http://www.mta.info/maps/submap.html

それぞれの地下空間には独特でアートな空間が広がっていました。
印象に残った駅構内のアートたちをご紹介。



タイルで彩られた駅名、出口案内はレトロで素敵ですね。映画のワンシーンみたい。


ブルックリン地区にあるLorimer Street StationのG線とL線の乗り換え通路にある「Use Less」。

そして、ニューヨーク公共図書館の横にあるBryant Park。



その地下通路には、草木の根っこのアートと、文学作品から引用された言葉がデザインされています。



他にも、チェルシーマーケットのある14 Streetの駅構内にはモニュメントがあったり、観光客の目を楽しませてくれます。


そんな地下鉄も、マンハッタンを離れると高架の路線もあります。
高架の駅を降りて下から見上げる線路も、鉄道の魅力のひとつですよね。



チケットの買い方、乗り降りのルールも違う


電車や駅も個性がありますが、乗り方も都市それぞれで異なります。

例えばチケットの料金。
日本で電車のチケットを買うときは、乗る駅と降りる駅を決め、料金表に従ってその区間分のチケットを買います。でも、三都市とも、日本とは違うのです。

日本の地下鉄でよく見る料金表

ワシントンD.C.の場合

ワシントンD.C.の地下鉄では、距離に応じて料金が異なります。それは日本の場合と似ていますね。券売機に記載されている到着駅名を見て、料金が確認できます。それ以外に平日の朝と夕方などのPeak Hourの設定があり、その時間帯には料金が高く設定されています。

観光スポットは駅からの距離があるので、必ずしも電車が便利とは限りません。今回は2泊の滞在だったので、何度地下鉄に乗るかわからず、Passの購入を見合わせたのですが、それが意外と面倒でした。

というのも、券売機は大きめのドル札が使えないのです。
財布に20ドル札しかないときには、チケットを買うのに苦労しました。

ワシントンD.C.のmetroチケット

また、券売機でも近くの駅までのチケットを買うときは、券売機の最低金額より安いため、ちょっとだけ多めにお金を払うことに。それは最後までワシントンD.C.で慣れなかったことの一つですね。

次回は短期間の滞在でもMetro Passを購入しようと思います。

ニューヨークの場合

ニューヨークの地下鉄の乗車料金は一律。改札口を出るまで乗り換えも自由で、どこまでいっても一回2.50ドルです。7-dayのPassもありましたが、何回乗るかわからなかったので、Metrocardを買って、Pay-Per-Rideで都度チャージしながら使いました。

チャージするときは往復だと4.50ドルになるので少しお得です。

黄色いのが通常のMetrocard、上がSingle Rideの片道切符

Metrocardは磁気カードです。裏に有効期間が書いてあり、その間は何度でもチャージできます。
通常の片道チケットは紙製で使い捨てです。

ニューヨークでは料金が一律なこともあり、入るときだけチケットを磁気リーダーに通します。出口はバーを回して出るだけなので、チケットを使う必要がなく、片道切符の提示を求められたり、回収されることはありません。

すぐゴミになってしまうので、そういう意味でもMetrocardがいいですね。

ちなみに、この駅の出入りの仕方も、都市によって異なります。
ワシントンD.C.では駅構内を出るときにチケットを機械に通す必要があり、片道切符は回収されます。


Metrocardは黄色いものが通常デザインですが、中には広告が印刷されたものもあるようです。

Advertise on MetroCard
http://www.kingjim.co.jp/sp/mr360/

カジノの広告が入った赤いMetrocardは2013年7月に登場

媒体紹介サイトを見てみると、地下鉄とバスの利用者は1日850万人。東京メトロの1日の利用者が約622万人(出所:東京メトロサイト、平成23年)なので、MTAもニューヨーク市民や観光客の足として活躍していることがわかりますね。

そしてニューヨークの地下鉄。なんと24時間営業です。
ブロードウェイでミュージカルを楽しんだ後や、ロックフェラーセンターの夜景を堪能した帰り道も、安全に利用することができました。
さすが、眠らない街ですね。

ボストンの場合

最後にボストン。こちらは1回2ドルですが、旅行で長めに滞在するなら7-Day Passが18ドルとお得です。ボストンとケンブリッジを観光するときは地下鉄での移動が便利なので、7日間フルでいない人でも、途中下車を考えると7-Day Passはお得だと思います。

Passは磁気カードなのですが、本体は紙でできています。購入は券売機でクレジットカードで購入できます。利用期間が書かれている面を上にして、改札機を通します。裏側(そっちが表?)にCharlieTicketと書かれています。

MBTAのCharlieTicket(7-Day)

チャージ式ICカードもあり、こちらはCarlieCardといいます。

ボストンも駅構内に入るときにチケットが必要ですが、出るときは不要です。

生活の近くにあるから、おもしろい


ボストン、ニューヨーク、ワシントンD.C.の地下鉄を紹介してきましたが、同じアメリカ東海岸でも、車両、プラットホーム、券売機や改札口。こんなにも違うものなんですね。

それぞれの都市ならではの成長を遂げてきたのかと思うと、その街の生活の軌跡に触れられたようで、またさらに旅が思い出深くなりました!



Written by Chie (@crispytaffy)

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